第27回:聞けないよ、今さらXLRケーブルのこと。どこに接続するのかも分かりません
でも距離が短い場合は、バランス接続しなくてもノイズの影響を受けないんですよね。距離が短いから。
ライン信号なら出力も大きいので、ほとんどノイズの影響は受けないでしょうね。でも、聴感上では音場感の向上、音像定位が明確になるなどの音質向上効果が感じられます。
出力側の機器は大変ですが、受ける側は信号を合成するだけでいいんですよね。
そうです、だからバランス対応パワーアンプは意外とカンタンに出来ますが、DACやDAP、プリアンプは大変です。
う〜ん……。だとすると、バランス専用コンポとアンバランス専用コンポは接続できないのでしょうか?
こんなのもあるんですね、っていう程度で話がややこしくなりそうなので、ここは「通過(スルー)」したいと思います。でも2番ホット問題については気になります。
XLR端子には1番ピン、2番ピン、3番ピンがあります。
この中の1番はグランドと決まっています。これは常に1番ピンが先に接地して、信号が流れている状態で機器を接続してもバチッというノイズを出さないためです。RCAケーブルはホットから接地するので、電源OFFで接続するのが基本です。
さて、グランドは決まりましたが2番と3番のどちらがホットかは決まっていませんでした。しかし、1992年に2番ホット、3番コールドというのがAES(Audio Engineering Society)のAES14-1992で規格化され、今では2番ホットが主流です。
拙宅で使っているJDFというフランス製パワーアンプは3番ホットを採用。
絶対に2番ホットとは限らないので確認が必要だ。
ユーザーにしてみれば、統一して欲しいですよね。
電車に乗るときも、何番線にどの電車が来るのか統一してもらった方が分かりやすいもん。
それで、2番線……違った、2番ホットのコンポと3番ホットのコンポをバランス接続すると悪影響があるのでしょうか?
実は全く問題ありません。位相が逆になりますが、LRの位相は揃っているので音像定位に問題はありません。私も気分的に2番3番クロスのXLRケーブルを使っていますが、音質的にもほとんど変化はありませんね。
かえって変換コネクターなどを挟むと接点が増えて音質が悪化する恐れがあります。
う〜む、電車がどのホームに到着しようが、行き先さえ合っていれば問題ないということなのか……。
そういえば、スピーカーのプラスとマイナスが1本だけ逆だと変な音になりますが、両方ともに逆だと普通に聞こえると言いますよね。それと同じなんだな、きっと。
2番3番ホット問題に関しては気にしないのが正解です。
あ、そういえばXLRケーブル1本だけど、バランス対応のヘッドホンケーブルを見たことがありますよ!
そういえばヘッドホンは2.5mmと3.5mm、4.4mmの4ピンバランスケーブルというのがありますね!
これまたややこしい話なのですが、ヘッドホンの場合は3ピンのアンバランス接続と4ピンのグランド分離接続、そして4ピンのバランス接続があります。
まず3ピンのアンバランスですが、LRのグランドが共通です。これにLRのホットが加わり3本の線でステレオ信号を送っています。
バランス接続の場合は、4ピンでLRのホットとコールドの信号を送っています。
それではグランドはどうなったのか?
実は浮いています。グランドはシールドの役目を果たすだけで、信号が流れていません。もしケーブルがシールド構造なら、どこにも接続していません。この状態をグランドが浮いていると言います。
全く同じ端子を使っておこなうグランド分離接続は、信号はホットのみアンバランスですが、グランドをLRで分離しています。 これはバランス接続とは違いますが、アンプの数を増やさずに手軽に音質向上効果が望めるので、採用するメーカーが増えています。
ややこしいよぉ〜。
つまるところ、4ピンのバランス接続のための端子には、XLR3ピン×2、XLR4ピン、2.5mm4ピン、4.4mm5ピンなど、いろいろなタイプがあるということですね。
最近では4.4mm5ピンもソニーを中心に増えて来たので、また変換ケーブル作る必要がありますよね!
ハンダ付けは好きだけど、これ以上、端子の規格が増えるのは勘弁してもらいたいよ〜。
ほんとですね。これ以上私の頭の中もグチャグチャにしないでほしいです!笑
さてさて、最後に重大発表があります!!
えっ!? なに? まさか……!?
宣伝か〜い!
- 2018.03.25 Sunday
- オーディオ「なぜなに事典」