第26回:消えるノイズ! 謎が謎を呼ぶ、XLRケーブル…!?

前回はRCAケーブルについて学びながら、いろいろとカスタマイズする楽しさを学びました。今回は、そのRCAケーブルと対をなすXLRケーブルについて注目してみたいと思います。

東京では都営地下鉄と京王線との企画イベント『大人のための謎解きイベント 鉄道探偵と消えた1億の謎』というのをやっていました。面白かったですよ。

ケーブルと全然関係のない会話はやめてくださいね。

ケーブルの話だけに、謎解きとケーブルを無理矢理繋げてみようと思います。

そうゆうのを無謀な挑戦と言います。

 

本物のケーブルは接続を誤ると機械を壊すだけでなく、出火などの原因になりますから本当に気を付けてくださいね。

 

 

 

 

 

 

序盤から炎上の予感……。

XLRケーブルを理解するにあたり、今回も知っておくべきキーワードがいくつか出てきます。「ホット」「コールド」「グランド」「バランス」「アンバランス」などなど。それぞれの意味と役割を理解すれば、XLRケーブルを理解したも同然。がんばりましょう!

スターバックスの店員さんが、お客さんから「ホット!」「コールド!」「グランデ!」と様々な注文を受けてアンバランスなバランスでコーヒーを運んでいるような、そんなプロ意識の高い風景を思い描いています。

グランドをグランデとか言ってる君に、目覚めのブラックコーヒーを差し上げたいね。

ブラック苦手。

そもそもXLRですが、これはアメリカのCannon社のXLR型互換コネクターを意味しています。

 

つまりXLR端子を使ったバランス伝送用のケーブルという意味です。キャノンケーブルとも呼ばれています。

 

XLR

XLRケーブルにはXLR型(キャノン)端子が使われる。

Make it possible with...

その会社ではなくて、別の会社です。

あ、違うのね。

そしてそのXLR端子ですが、そもそもスタジオやテレビ局などプロの現場で使われる端子で、ロック機構があって絶対抜けません。

 

ですから……。

足を引っ掛けると危険です!

RCAケーブルはロックがないので、つまずいたとしてもケーブルが抜けますが、機器や人間は無事ですね。

XLRケーブルはプロ用なので音は途切れませんが、人間が転ぶか、機材が崩れ落ちるなど悲惨なことになる可能性大です! 

さすがプロ用ですね。周囲の環境を整えてから使わないとアクシデントに見舞われるかもしれませんね。

 

ところで、XLRケーブルで気になるのが端子の先端ですね。RCAケーブルは両端とも同じ形ですが、XLRは穴が開いている端子とピンが出ている端子、2種類があるのも何かプロ意識の表れなのでしょうか。

 

XLR

上下が逆だが、こちらがピンのあるオス側。

 

XLR

ジャックがあるこちらがメス側となる。

XLRケーブルにはオスとメス端子があって、出力側はメス、入力側がオスになっていてショートや感電の危険性を減らしています。

 

……と、まあ、ここで終われば話が分かりやすいのですが、オーディオ機器は入力側がメスで出力側がオスになっている場合が多いんですよね。

 

出力側がピンで、入力側がジャックになっている例。

姉さん、事件です! 

 

いったい誰がこんなひどいことを! 

話がまるで逆じゃないか!

 

ケーブルの出力側がピンなら、ショートや感電の危険性が……。

 

はっ!! 

 

さては、パニックを狙って犯人がわざと……!?

犯人って誰だよ……。

 

要はレコーディング業界でオスが出力側、放送局ではメスが出力側という慣例もあるらしく、オーディオ業界は前者を採用したということのようです。

 

推理してみるに、コンデンサーマイクには電源が必要で、最初は直流48Vでした。電源をマイクに内蔵させるのは無理なので、接続するミキサーなどから供給します。これに使われるのがキャノンケーブルなのです。つまり、信号と電源を1本のケーブルで送る仕組みです。今で言えばUSB給電ですね。

 

直流48Vで感電すると危険なので、ケーブル側はメス、マイク側がオスになったと思われます。するとミキサー側はマイクの入力端子がメス、出力がオスになります。

 

コンデンサーマイクはマイク側がオス端子になっている。

 

XLR端子を使ったマイクケーブルだが、バランス伝送とは限らない。

コンデンサーマイクとは感度が高い、レコーディングやテレビやラジオ放送なんかで使われるマイクのことですね。

そうそう。漫才のステージの真ん中に置いてある、お馴染みのあの形のマイクですね。

うーむ、なるほど。オスメス問題には、なにやら業界の事情が隠されているようだな。

 

……怪しい。

 

まずこのピンだ。そもそも何でピンが3本も必要なんだ? 

 

RCAケーブルだって1本で事足りているのに、なぜこんなにピンが……? 

 

はっ! 

 

さては、これも犯人が仕組んだ巧妙な仕掛け!? 

1本で仕留められなかった時のために、わざと予備のために2本を……!?

だから犯人って誰よ!?

 

それは、冒頭に出てきた「ホット」「コールド」「グランド」があるので、3ピンが必要なのです。少し難しい言い方ですが、ホットは正相、コールドは逆相、グランドはグラウンドとも言いますが、接地線のことです。

 

そして、それらホットコールドの2本の芯線を網目状のシールド(グランド)線でカバーする形式を、バランス接続と呼んでいるのです。

 

バランスケーブルはシールドの中に2本の信号線がある。

ついに出たなっ、バランス接続! 

 

だが、私は騙されないぞ! 

 

この前のRCAケーブルは確か芯線は2本だった! シールドはなかった! つまり、ホットコールドだけ! 

 

謎は解けた! それは、アンバランスだったということを意味しているのだ!!

え〜と……。盛り上がってるところ申し訳ないのですが、あのケーブルはちょっと特殊なんですよ。一般的にはホットの芯線があって、周りにシールド兼コールドがあるのがアンバランス接続になります。

しまった! 罠かっ!? 

 

しかし、明智君!

ゴン川野です。

だとしたら、コールドシールド(グランド)は一体何が違うと言うんだ!

さきほども説明しましたが、ホット逆相の信号が流れているのがコールドなのです。

 

バランス接続ホットコールドの信号を出力しているわけですが、仮にそこに信号にノイズが載ったとしましょう。信号を入力された機器はコールドの信号を反転して同相信号に加えます。

 

すると、出力が2倍になるだけでなく、伝送時に載ったノイズが逆相になってホットに載った同相のノイズを打ち消して±0になるのです。これはノイズキャンセリングヘッドホンにも使われている技術として知られています。

業界……。

 

ノイズ……。

 

消える……。

 

 

分かったぞ、ワトソン君!

だから私はゴン川野ですってば。

真相は、「ケーブルにはグランドホットだけあればいいが、放送スタジオなどで使う数十メートルも必要な長いケーブルだと、その分ノイズが載りやすくなる! だから、ノイズを打ち消すためにわざとバランス接続となるようコールド(逆相)を設けている」というわけだっ! 

 

だからピンが3つ必要だったのだ〜っ!! どうだ、これで事件は解決だっ!!

だから、さっきからそう言ってる!


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