第18回:パッシブラジエーター・キットの実力は?

今年最後の「オーディオなぜなに事典」は、前回に引き続き「パッシブラジエーター型エンクロージュア・キット」を使って、パッシブラジエーターの実体に迫ります!

それでは早速、キットの音を聴いてみましょうか。PCのハイレゾ音源DAC経由で、300Bシングルの真空管アンプキットSV-S1616D」に接続してスピーカーを鳴らします。予想していたよりも、ずっとスピード感のある低音ですね! これは驚きました。ドロンコーンだから、もっとドローンとした低音かと思ったのに……。

今回はキヨトマモルさんが塗装まで施したもので試聴。2018年2月10日(土)まで「オントモ・ヴィレッジ感謝祭」開催中につき、6cmユニットをプレゼントしてます!

ゴンさんもダジャレ言うんですね!

実はこのドロンコーン、またの名をパッシブラジエーターの部分は、「Stereo」誌面の連載企画内でキヨトマモルさんがいろいろな素材を試して、もっとも音質が良かったという「マホガニーツキ板+バックボード紙」のハイブリッド構造を採用したからです。

この振動板はね、実は私が切ったんですよ〜。素材自体はハサミやカッターで切ることができますが、やはりキレイな円形に仕上げたいので、丸く切れる「コンパスカッター」を使いました。カッターだけに、これさえあればゴンさんのようにキレッキレのダジャレが思い浮かぶことでしょう。

 

キットにはマホガニー天然木シール、バックボード紙、ゴムエッジが付属。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キレの悪いダジャレで悪かったね!

それはさておき、「コンパスカッター」は、自作をする人なら持っている人もいるかもしれないですね。

ですねー! 自分は持っていなかったので買いに行ったのですが、本格的なものだと2,000円〜3,000円くらいで、けっこういい値段するんですよね。

今回はそんないいやつじゃなくてもいいんだけどな〜と思いながら、いろいろなお店を探していたら……ありましたね、100円ショップで売っていました。小さい100円ショップだと取り扱っていないと思いますが、少し大きめのDIYグッズを扱っているようなお店でしたら、入手できるかと思います。今回はこれで充分でした。これがあればキレイに円が切れますよ。

 

ウレタンエッジは4個入り、リアバッフルも2ペア入っているので素材違いの振動板を貼って、交換できます!

このキットは、6cmのフルレンジ・ユニットに対して、パッシブラジエーターの口径が9cmあるという斬新な設計ですね。リア(背面)に振動板があるので、フロント(前面)のフルレンジと低音が干渉しにくいと思われます。

 

壁に近付けると低音の量感は増やせるのでしょうか?

ボードを立てて実験してみましょう。

 

かなり量感が増えますね。これなら低音不足に感じることはないと思います。

どの帯域の低音が出ているのが、簡易的に測定してみました。パッシブラジエーターが再生しているのは140Hzをピークにして、その前後ですね。フルレンジだけだと130Hzがピークですが、山は低くてなだらかです。

 

背面のパッシブラジエーターの周波数特性

 

フロントにあるフルレンジの周波数特性

ドロンコーンという名前とは裏腹に、いい仕事してますね、この振動板は。

このキットは、リアバッフル(背板)が取り外し式になっているので、吸音材を交換して音の違いを聴いてみましょう。パッシブラジエーターの素材による変化は、「Stereo」誌でもキヨトマモルさんが詳しく実験されているので、今回は吸音材を検証してみるということで。

鬼目ナットを使っているので、何度ネジを締め直してもネジ穴が広がる心配がないんですよ! 心おきなくセッティングを追求できます。

 

 

では、「第8回:吸音材によって音はどう変わる? 実践編」で使った吸音材を使って実験してみましょう。 まず、ニードルフェルトに入れ替えました。ヴィンテージ吸音材のほうが、高域のキレがいいですね。これはフルレンジに効いているのかもしれません。ボーカルの質感も少し違います。ヴィンテージのほうが透明感がありますね。

 

ヴィンテージ吸音材

 

ニードルフェルト

キットに付属しているフェルト系ヴィンテージ吸音材は、設計者のキヨトマモルさんが秘蔵していたものです。ひと味違う音がするに違いないと思っていましたが、期待を裏切りませんね。

今度は吸音効果の高い、シンサレートを入れてみましょう。全体的に音がクリアーになりましたね。リズムの刻みがハッキリしました。高域は今まで一番伸びています。Michael Jacksonはこれがいいです! 低域の量感は減って、かなりタイトなのが好みの分かれるところですね。

 

シンサレート

う〜ん、女性ボーカルは響きが減って少し寂しい感じですね。もっと量を減らせば、良くなりそうな予感がしますけれども。

今度は生成り真綿を入れました。ボーカルに透明感があって、なめらかな感じです。これは女性ボーカル向きです。低音に関しては、吸音しすぎてしまい迫力がなくなってしまいますね。

 

生成り真綿

パッシブラジエーター吸音材が控え目でいいんですね。全部抜くと、どうでしょうか?

吸音材を全部抜いてしまうと、音量を上げたときに低音が歪むのが早くなりますね。フルレンジの音も高音がきつくてザラザラした感じです。

やはりというか……。やっぱり吸音材は大事ということが改めてわかりますね。

トータルバランスで考えると、ヴィンテージ吸音材がベストでした。高音のヌケとメリハリ重視ならシンサレート。女性ボーカルのなめらかさを追求するなら、真綿がオススメです。どちらも量を調整すれば、もっといい音に化けるかもしれませんね。

パッシブラジエーターも、スピーカーの基本は同じだったんですね。私はもうそれがわかっただけでも今年は満足です。

来年はもっと、ろみーさんとともにパワーアップして、ゴンさんにオーディオのことに留まらず(?)、いろいろなことを訊いてゆきたいと思います! 今年1年ありがとうございました。みなさんも、よいお年を迎えられますよう祈っております!

私はこれ以上、たかゆきさんとろみーさんの自由奔放な感じがパワーアップしないことを祈りたいと思います。みなさま、よいお年を!

 

 

 

 

 

 

 


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