第9回:スピーカーの方式には何がある?

今回は、「8cmクラブミーティング with ハイレゾパークvol.9」(去る9月1日・2日に開催)を回って、展示されているスピーカーを見たり聴いたりしながら、スピーカーの方式について学びたいと思います。

バックロードホーンに関しては、第6回でお話ししたのでわかっていると思います。これ以外の方式に、密閉型バスレフ型があります。まあ、他にも後面開放型とか、無指向性とか、フロントロードとか、オールホーンとか、パッシブラジエータとかありますが、マイナーなので無視します。

うわぁ〜ずらずらと出てきましたね、方式! ま、いろいろな方式があるけど、最終的にはバスレフ型が有利っていうお話、ですよね? 市販スピーカーのほとんどが、バスレフポートが前か後ろに開いていますし!

コンクリートホーン5wayマルチなんかも音質的には有利なんですが、なかなか実現できません。小型から大型まで低域の再生限界を伸ばして、量感を出せるのはバスレフだけです。

へえぇ。じゃあ、バスレフだけ知っておけばよさそうですが、この8cmクラブのイベントの展示では変な形が多いので、一応見てみましょうか! お、この円筒形のスピーカーはバスレフ型ですか?

これは無指向性後面開放型という、珍しいタイプのアクリルチューブ・エンクロージュアです。小さなメーカーだからこそ製品化できるんですね。「工房Emerge+」はアクリル加工が得意なメーカーなんですよ。ちなみにデスクトップチューブは密閉型で、無指向性と普通の置き方が選択できます。

 

立てれば無指向性、横にすると普通の置き方。

無指向性というのは、どんな方式なんですか?

 

 

 

 

無指向性とは、スピーカーを上向き、または下向きにしてリフレクターなどを使い、360度に音が放出される方式です。音楽を聴けるサービスエリアが広く、音量のムラも少ないですが、音像定位と音場感は希薄になりますね。広い部屋で複数の人がいる場合に使われることが多く、Bluetoothスピーカーでは主流になりつつあります。あと、ストリーミング音楽配信対応スピーカーも、BGM的に使われることを想定して無指向性が多いですね。2本使えばステレオ感が得られ、1本でも音の広がりが得られるという特徴があります。

 

 

有機ガラス管全面から360度に音が広がる、ソニーのグラスサウンドスピーカー LSPX-S1も無指向性のひとつ。

あっ、コイズミ無線からオリジナル・エンクロージュアのスピーカーが出展されてますよ。

スピーカー自作派の味方、コイズミ無線のオリジナル・スピーカーシステム・キット「Cadenza C-M130C-B」ですね。13cmウーファーを使った本格2way密閉型です! ろみーさん、もしかしてバスレフ型を避けて選んでませんか!

 

 

裏側を見るとどこにもポートがないので密閉型。大型スピーカー端子が4個あり、バイワイヤリング接続対応だ。

……そんなことありませんよ〜、ウフフ。ところでバイワイヤリングって何ですか?

バイワイヤリングというのは、高域用のトゥイーターと低域用のウーファーに、別々のスピーカーケーブルを使って接続できる機能です。ウーファーの逆起電力をトゥイーターに伝えないための方法と言われています。ネットワークの設計にもよるので、バイワイヤリングのほうが音がいいとは限りません。スピーカーのポリシーも関わってきますね。バイワイヤリング対応であれば、一度は試してみたくなるのがオーディオマニアの性です。

ネットワークとか何だかよくわかりませんが、スピーカーケーブルが2倍の長さ必要になるし、部屋の中が線だらけになるので、私はバイワイヤリング却下ですっ!

こちらがコイズミ無線「WK08mバスレフ型エンクロージュア・キットです。8cmフルレンジ専用の箱です。正面に大きなバスレフポートが開いていますよね。

φ49mmのポートをもつ「WK08m」は、容積3.6Lで、板厚15mmのMDFを使っている。

これがバスレフ式ですね! へぇ〜このキットを使えば、6種類ものユニットを交換して聴き比べができるのですね。すごい! この穴がバスレフポートですよね! ようやくバスレフと対面できました!

そういえば、フォステクスのブースにも、穴の開いたスピーカーが沢山ありますよ。弊社の8cmメタルコーン「OMF800P」用に設計された標準バスレフBOXもありました。

 

OMF800P」のために試作された標準BOX。

 

OMF800P」を2発使った正方形のBOX。よく見ると、左右のポートでチューニングを変えて低域の再生範囲を広げている。ヨコ置きにも対応。

BearHornに展示されているキットは、90%がバックロードホーンですね。自作派には根強い人気があるバックロード。なかなか試聴できる機会がないので、特に大型モデルを聴いておきたいですね。小型とはひと味違う低音が体験できますよ。

吉本キャビネットさん、ですね。MDFのスピーカー・キットでお世話になっています!
え〜っと……次、こちらのパイオニアのブースには、「これならできる特選スピーカーユニット パイオニア編」(音楽之友社刊)でも紹介されていた6cmフルレンジ専用エンクロージュアが展示されています。試聴もできるそうですよ。

3方式が展示されていますが、すべてバスレフですね。まず底面にスリット型バスレフポートのあるタイプ。クセのない音を再現すると同時に、前後から同じ強さの低音を出すことで、スピーカー自体が前後に動くことを防ぐそうです。

次もバスレフですよね。ポートがこれもスリットタイプ? 少し幅が広くて長いですね。このほうが低音が出るのかなあ〜。

バフレフの低音は、エンクロージュアの容積ポートの断面積ポートの長さで決まります。ポートは円筒形でなくても構いません。作りやすさ優先なら長方形になります。断面積が狭いと、低い音が出ます。またポートは長いほど低音が出ます。逆に、断面積が広くてポートが短いほうが、能率良く低音の量感を出せます。
この最適値は計算で出せますが、低音のピークをどこにもっていくかを最初に決める必要があります。ビギナーほど欲張って低く設定して、完成したら蚊の鳴くような低音しか出なかったという失敗をやらかしがちですね。

蚊って…。それにしても、計算で求められても、最後は試聴で決めるんですね〜。実は、私の上司も以前スピーカーを作ったことがあるようなんですが、「適当に穴を開けたら、低音が全然出なかった……」と落ち込んでいましたっけ。

斜め上向きにスピーカーユニットを設置して、デスクトップ仕様にしてみたものの、唖然とするほど音が前に飛んでこなかった(本人談)

パイオニアの3つ目は、ユニットの前と後ろがバスレフになっているPPW(プッシュ・プル・ウーファー)方式です。上下のポートで低音のピークをズラして設定して、広い帯域の低音再生を狙う方式です。理屈は素晴らしいのですが、実際の設計は難しそうです。

オントモ・ヴィレッジで販売中のスピーカーも、こんなにたくさん展示されていますよ〜。あ、左右に一部、別のメーカーさんの製品も見切れてますが。あと店番しているのは、たかゆきさんですね。

オントモ・ヴィレッジでは、「Stereo」やMOOKの付録ユニットに合わせて、さまざまなエンクロージュア・キットを筆者に設計していただいています!

パイオニアの6cmユニットを使った「コサギ」の内部構造がわかるモデルも展示されていますね。これは凄い構造です。50Hzの超低音が出るのもわかる気がします。しかし、作るの大変そうですね。

このときの試聴会が功を奏したのか、炭山アキラ氏設計の「コサギ」が人気急上昇中です!

これもバックロードホーンなんですよね。首が長いのには何か意味があるのでしょうか? 見た目的にはカワイイですが。

これはバックロードホーンだけでなく、共鳴管型も併用していますね。共鳴管型は、楽器で言えばパイプオルガンのような原理で低音を出します。口径が小さくなるほど、共鳴管が短くても効果があるはずなので、6cmユニットは有利ですね。上が共鳴管型で、下がバックロードホーンにすることで、中低域を幅広く増強しているのかな。まあ、これは私の勝手な想像です。

なるほど〜。ちなみに「コサギ」にはサブバッフルが付属して、8cmユニットも取り付け可能です。ユニットは「OMP-600」1ペアをプレゼント中ですよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


コメント
コメントする








   

category01.png

fb.pngtw.pnginsta.pngyt2.pngRSS2.png

OV_top.jpg

EC_top.jpg

02.png

03.png

Stereoblog.png

musimegane.png サイト内で検索する

profile.png プロフィール

音楽之友社が運営するWebマガジン「ONTOMO」のブログ。音楽/オーディオ雑誌発のこだわりの限定品や、情報を発信します。

categoryies.png カテゴリー

selected entries.png 最近の投稿

archives.png アーカイヴ

carender.png カレンダー

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>

iphone.png mobile

qrcode